邦題は「人生が豊かになりすぎる究極のルール」。著者のビル・パーキンス氏は、人生で一番大切なのは、思い出をつくることだと言います。原題を直訳すると「ゼロで死ね」ですが、死ぬ間際に貯蓄残高がゼロになるようにお金を使い切ることは困難でしょう。日本では高齢者の多くが数千万円もの貯蓄を残して亡くなることが統計で出ていますが、そのお金を貯めるのに何時間要したのでしょうか。家族との思いで作りを後回しにして貯めたものではないでしょうか。
まえがきの、イソップ寓話のアリとキリギリスの話は身につまされます、「アリはいつ、楽しいときを過ごすのか」と。パーキンス氏も前述の「お金か人生か」に触発されたと書いています。やりたいこと、思い出になることを後回しにせず、一定額以上の貯蓄があれば実行するという考え方が響きます。先日亡くなられたタレント・司会者の小倉智昭さんも言っています、「老後にやろうは」ダメ。老後になるとできないことがあるので、若いうちにやれることがあったらやったらいいと。 (終わり)